この事例の依頼主
女性
相談前の状況
相談者は、転職情報サイトを通じてある会社の運転手採用に応募し、その後面接と実技試験を経て採用内定を得ました。ところがその後、入社前の研修において運転手の技能不足であるなどと指摘され、即日内定を取り消されました。相談者は、この処分に納得がいかないとして、裁判所に労働審判を申し立てることになりました。
解決への流れ
相談者は、運転手の経験こそなかったものの、その点は面接時に伝えており、また、採用条件においても未経験者歓迎とされていました。採用時の実技試験においても、特に運転技術や知識に対する指摘はありませんでした。そのようなことから、労働審判においては、会社の内定取消は違法かつ無効なものであることを主張し、結果として、給与4か月分相当の解決金を獲得することができました。内定取消から再就職まではどうしても無収入の期間が生じてしまうため、その間の収入の穴埋めはできたものと思います。
会社は従業員として誰を採用するかについては広い裁量を持っていますが、一度採用を決めた後はその内定を自由に取り消すことはできません。採用内定によって、条件付きではありますが労働契約が成立していますので、これを解約するには、合理的で社会通念上も相当である事情が必要とされます。不当な内定取消を受けた場合には早期の対応が不可欠ですので、是非お早めにご相談ください。