この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
配偶者が別居を決意した際,一方的に子を連れ去り,そのまま離婚協議に突入して合わせてもらえない事例がまま見受けられます。依頼者は,そのような中で離婚手続対応よりも,子との面会交流を強く望んでおられました。
解決への流れ
相手方は,一貫して,子が依頼者を嫌っている,怖がっている,面会を望んでいないと主張し続けていました。また,離婚に応じないのであれば面会させられないと,面会を離婚の駆け引きに用いていました。これに対し,依頼者は,子の意向は違うはずだと固く信じておられました。このため,家庭裁判所での調停を申立て,調査官による調査を経て,裁判所で試行的に面会を実施することができることになりました。その結果,依頼者の顔を見た子は,依頼者を避けることなく喜び,面会交流を望んでいたとの思いを明らかにしてくれました。
離婚紛争の狭間で幼少期の子が監護する親の影響を強く受けるという傾向があります。そのような中でも,諦めず,当方の誠意を示しながら理解を求め,裁判所の助力を得て事実を積み重ねていけば,良い結果につながると多くの事例を通して私も勉強させてもらいました。子にとっては離婚しようとする両親であっても親であり,その心情を大切にすることが重要であると考えます。ただし,反対に,子が明白に監護していない親を拒絶しているケースもあり,面会交流ありきではなく,子の意向ありきであることは忘れてはならないと考えます。