この事例の依頼主
50代 男性
相談前の状況
相談者様(50代男性・地主)は、所有する土地について借地契約が間もなく満了する状況で、借地人から契約更新の申し出を受けました。しかし、相談者様自身がその土地を自ら利用する予定があり、契約更新を拒絶したいと考えていました。相談者様は、更新拒絶には「正当事由」が必要であることを知っていましたが、自らの事情が正当事由に該当するか判断できず、また、法的な手続きや借地人との交渉方法について不安を感じていました。
解決への流れ
当職が状況を詳しくヒアリングした結果、以下の解決策を提案・実行しました。1. 正当事由の確認相談者様の土地利用計画が借地借家法6条に定める「土地の使用を必要とする事情」に該当するかを精査しました。その結果、相談者様の利用目的(自身の住居のための建物建設)は、借地借家法6条に基づく正当事由に該当する可能性が高いと判断されました。2. 通知手続きの実施借地契約の満了前に、借地人に対して正式な書面で更新拒絶の通知を行いました。この際、通知内容には正当事由の具体的な説明を記載し、借地人が不安を抱かないよう、代替案として一定の財産上の給付(立ち退き料)の提示を行いました。3. 交渉の進展借地人との間で合意形成を目指し、当職が弁護士代理人として交渉を実施しました。結果として、借地人は立退料を若干増額することを条件に受け入れる形で円満に土地を明け渡すことに同意しました。4. 法的文書の作成交渉結果を基に、適切な契約書および覚書を作成・締結し、相談者様のリスクを最小限に抑えました。
借地契約の更新拒絶には、単なる地主の意思だけでなく、法律上の『正当事由』が必要です。本件では、相談者様が自身の土地利用計画を明確に示し、借地人に対して誠実かつ法的根拠に基づく対応を行ったことが円満解決につながりました。地主の方々にとって借地トラブルは大きな負担ですが、ご相談者様の相談に近い裁判例を調査することのできる弁護士による適切な法的サポートを受けることで、トラブルを予防し、スムーズな問題解決を図ることが可能です。