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首相官邸に落下した「ドローン」 どんな「犯罪」になるのか、弁護士に聞いた
2015年04月22日 18時30分

東京・永田町の首相官邸の屋上で4月22日午前、小型の無人飛行機「ドローン」が見つかった問題。官邸屋上には警視庁の捜査官ら数十人が動員され、ドローンは午後2時半ごろ屋上から撤去された。

報道によると、屋上で見つかった「ドローン」は直径50センチほどの大きさで、4つのプロペラで飛ぶタイプ。小型カメラや液体の入ったペットボトルのような容器が付いていたという。

また、この容器には「放射能マーク」がついており、直径3センチ、高さ10センチほどでふたがしてあったという。「ドローン」からは微量の放射線が測定されたが、人体への影響はないレベルという。

東京・永田町の首相官邸の屋上で4月22日午前、小型の無人飛行機「ドローン」が見つかった問題。官邸屋上には警視庁の捜査官ら数十人が動員され、ドローンは午後2時半ごろ屋上から撤去された。

報道によると、屋上で見つかった「ドローン」は直径50センチほどの大きさで、4つのプロペラで飛ぶタイプ。小型カメラや液体の入ったペットボトルのような容器が付いていたという。

また、この容器には「放射能マーク」がついており、直径3センチ、高さ10センチほどでふたがしてあったという。「ドローン」からは微量の放射線が測定されたが、人体への影響はないレベルという。

●ドローンは「模型航空機」という扱い

首相官邸は地上5階建てで、厳重な警備がされている。ドローンは官邸の上を飛んでいて、落下したとみられるが、今回のような事態は官邸側も想定外だったようだ。

ドローンの飛行を制限するルールはないのか。国交省航空局運航安全課によると、首相官邸の上空で模型航空機を飛ばすことは、高度によっては航空法な違反する場合がある。同法で禁じられた「航空機の飛行に影響を及ぼすような行為」に該当する可能性があるからだ。

しかし、その高度のめどは、およそ標高250メートルとなっていて、それ以下なら「航空法上は」ドローンを飛ばす行為が規制されていないという。

今回の事件では、誰が何のためにドローンを飛ばしたのか、まだ詳しいことはわかっていないが、航空法以外で何らかの「犯罪」にあたる可能性はないのだろうか? 秋山直人弁護士に聞いた。

●「建造物侵入罪」には当たらず

「まだ事件の詳細がわかっていない段階ですが、航空法以外で適用されそうな規制を、ざっと考えてみましょう。

今回の行為は、ドローンを首相官邸屋上に『侵入させた』事件と言えそうです。しかし、建造物侵入罪(刑法130条)は、正当な理由なく、『人』が建造物に侵入した場合に限定されており、侵入したのが『ドローン』だと成立しません。

また、『ドローン』は小型カメラを搭載していたようであり、首相官邸を上空から撮影していたのかもしれませんが、テロ対策やスパイ対策の特別法で、今回のような事態を想定した条文も見当たりませんでした」

●公務執行妨害罪にもならない

「また、首相官邸は要人が滞在し、厳重に警備されている施設なので、公務執行妨害罪(刑法95条)も思い浮かびます。しかし、公務執行妨害罪は、職務を執行している公務員に対して、暴行または脅迫を加えた場合に成立する罪です。

今回は『ドローン』によって、警備に当たる公務員に暴行が加えられたわけではありませんので、やはり成立しません」

●「業務妨害」の可能性あり

成立しそうな犯罪はあるだろうか?

「今回の『ドローン』には『放射能マーク』がついていたとのことですので、威力業務妨害罪(刑法234条)が成立する可能性があると思います。

『威力』とは『人の意思を制圧するに足りる勢力を用いること』と定義されています。放射能マークは、『危険な物質を運搬しているのではないか』と、人に思わせるものといえます。そうすると、『威力』を用いて、首相官邸の警備という業務を妨害したといえる可能性があると思います。

今回の事件は、『ドローン』という新たに実用化が進められている機器を利用した、現行法の隙間を突いたような事件ともいえ、今後、新たな法規制の必要性について議論されるのではないかと思います」

(弁護士ドットコムニュース)

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