6020.jpg
別人すぎる新婦の「スッピン」夫がショック受けて提訴! 慰謝料請求は認められるか?
2015年08月22日 08時57分

妻の「スッピン」を見た夫が慰謝料を求める――。そんな驚きの裁判をアルジェリアの男性が起こしたと海外のニュースサイトが報じ、話題となった。

イギリスのニュースサイト「Mirror.co.uk」によると、事件が起こったのは結婚式翌日の朝。男性は、そのとき初めて妻の「スッピン」を見たそうだ。化粧をしているときの顔とのあまりの違いに、隣で眠っているのが妻と分からず、「盗むために家に忍び込んだ泥棒だと思った」そうだ。

新郎は「精神的なダメージを受けた」として、妻に対して1万3000ポンド(約250万円)の損害賠償を求めているという。もし日本で同様の裁判が起こった場合、男性の請求が認められる可能性はあるのだろうか。また、スッピンの顔があまりにも違うという理由で、離婚することは認められるのか。男女の法律問題に詳しい田村ゆかり弁護士に聞いた。

妻の「スッピン」を見た夫が慰謝料を求める――。そんな驚きの裁判をアルジェリアの男性が起こしたと海外のニュースサイトが報じ、話題となった。

イギリスのニュースサイト「Mirror.co.uk」によると、事件が起こったのは結婚式翌日の朝。男性は、そのとき初めて妻の「スッピン」を見たそうだ。化粧をしているときの顔とのあまりの違いに、隣で眠っているのが妻と分からず、「盗むために家に忍び込んだ泥棒だと思った」そうだ。

新郎は「精神的なダメージを受けた」として、妻に対して1万3000ポンド(約250万円)の損害賠償を求めているという。もし日本で同様の裁判が起こった場合、男性の請求が認められる可能性はあるのだろうか。また、スッピンの顔があまりにも違うという理由で、離婚することは認められるのか。男女の法律問題に詳しい田村ゆかり弁護士に聞いた。

●女性がメイクで美しくなることは、社会の共通認識

「いわゆる慰謝料請求について定めているのは、民法709・710条です。

故意または過失によって他人に精神的苦痛を与えた者は、これによって生じた損害を賠償しなければならない、という内容です」

では、妻のスッピンにショックを受けて、夫が精神的苦痛を受けたような場合も、慰謝料請求が認められるということだろうか。

「精神的苦痛を被ったからといって、なんでもかんでも慰謝料が支払われるわけではありません。

たとえば、『告白したら振られて傷ついたから慰謝料払え!』と請求したら慰謝料が支払われるかというと、もちろんそんなことはないですよね?

慰謝料請求が認められるのは、『違法』な行為に限られます」

今回のケースでは、違法といえるのだろうか。

「メイクをした顔とスッピンが違い過ぎることが『違法』といえるかというと、結論としては難しいでしょう。

違法な行為とは、たとえば刑罰法規に反する行為や、法に直接違反する行為でなくても、社会的にみて許容されない行為をいいます。

女性がメイクをすること、メイクによってスッピンよりも美しくなることは、社会の共通認識です。スッピンとメイクした顔が違いすぎたからといって、違法とまでは言えないでしょう」

慰謝料を求めることは難しいようだ。

●離婚することも難しい

では、男性が離婚したいといったら、認められるだろうか。

「離婚事由については、民法770条が定めていて、今回は、そのうちの『その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき』に当たるかが問題となります(770条1項5号)。

やはり、今回のような事情だけでは難しいでしょう。

別居を3~5年継続した上であれば、婚姻関係が実質的に破たんしていることも加味され、認められるかもしれませんが・・・」

田村弁護士はこのように述べていた。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る