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ツイッターで拡散「性暴力は親告罪」は誤り…議論が沸騰すると現れる「都合のいい法律情報」
国際政治学者としてテレビ出演などをしている三浦瑠麗さんが4月17日、福田財務次官のセクハラ疑惑問題に絡み、「性暴力は親告罪。セクハラでも被害者が情報を提供しないと、それ以外に認定することができない」などとTwitterに掲載し、事実誤認だとする批判が相次いだ。
その後、間違いを指摘された三浦さんは「申し訳ございません」とツイートしたが、刑法改正による「非親告罪化」について認識していない人も少なからずいるのではないか。この問題をTwitter上で指摘していた深澤諭史弁護士に、どう変わったのか聞いた。
カジノ解禁に向け「世界最高水準の規制」求める…政府有識者会議・報告書のポイント
カジノを中心とした統合型リゾート施設(IR)の実現に向けた「特定複合観光施設区域整備推進本部」(IR整備推進本部)が8月1日、首相官邸で開かれ、有識者会議である「特定複合観光施設区域整備推進会議」(IR推進会議)の議長の山内弘隆一橋大学教授が、IRの制度設計をまとめた報告書を安倍晋三首相に提出した。報告書は同日中にパブリックコメントに付され(期限は8月31日)、8月後半には全国各地で公聴会が実施される。
報告書によると、観光振興につなげるため、IR施設に国際会議場やホテル、劇場などの設置を義務付け、ギャンブル依存症対策として、入場回数に上限をもうける。また、暴力団対策などのために、カジノは免許制として、更新を義務付ける。
この報告書をもとにしたIR実施法案を政府は今秋の臨時国会に提出する方針で、成立後、2〜3か所を選定する見込みだ。カジノ解禁に向けて賛否が割れる中、今回の報告書のポイントはどこにあるのか。有識者会議(特定複合観光施設区域整備推進会議)の委員として報告書の作成にかかわった渡邉雅之弁護士に聞いた。
「患者も医師の命も守れない」 残業「年1860時間まで」案、見直しを要望
医師の残業時間の上限をどれくらいに設定するのかーー。「例外的に年間1860時間も認める」との案が出され、厚生労働省の検討会での議論は大詰めを迎えつつある。そうしたなか、「これでは医師の過労死は減らない」と現役医師たちは懸念の声を強めている。
「妻とは別居している」と聞かされ不倫関係に…相手の妻から慰謝料請求され「支払いたくない」は通用する?
既婚男性と交際しているという女性からの相談が、弁護士ドットコムに寄せられています。
「交際相手の奥様から高額な慰謝料を請求されました。しかし、交際相手から婚姻関係は破綻しており、別居していると聞いていました。それでも慰謝料を払わないといけないのでしょうか」
女性によると、その男性からは「奥様のモラハラが原因で別居した」と聞いていたそうです。別居は少なくとも9カ月に及んでいるとのことで、女性は男性が妻と別居してから交際を始めたそうです。
また、ほかにも、既婚男性と交際しているという女性からは、「妻とは婚姻関係が破綻していると聞いていたので、妻からの慰謝料は払いたくない」という声もありました。
確かに婚姻関係が破綻した後であれば、他の女性と交際しても不法行為にはならず、妻に慰謝料も支払う必要はないでしょう。では、どのような場合に「婚姻関係が破綻していた」と認められるのでしょうか。鈴木菜々子弁護士に聞きました。
日立が50代男性に「執拗な退職勧奨」、慰謝料20万円の支払い命じる 横浜地裁
日立製作所で働く50代男性が、部長から違法な退職勧奨を受けたとして、慰謝料など計272万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が3月24日、横浜地裁であった。新谷晋司裁判長は、原告の請求を一部認め、慰謝料20万円の支払いを命じた。
判決後、東京・霞が関の厚労省記者クラブで会見を開いた男性は、「仕事を取り上げられながら退職強要面談を受け続け、絶望感を覚えました」と訴えた。
「ハロウィン目的で渋谷に来ないで」 長谷部区長が世界に向けて呼びかけ…韓国・梨泰院のような雑踏事故を危惧
10月末の「渋谷ハロウィン」は、新型コロナの5類移行後初めてとあって、混雑による死傷者の発生や、痴漢などの犯罪、路上飲酒による混乱などが懸念されている。
こうした中、渋谷区の長谷部健区長は10月5日、東京・丸の内の外国特派員協会の記者会見で、国内外に向けて「ハロウィン目的で渋谷に来ないで」と強く呼びかけた。
PC遠隔操作事件「片山被告人の身柄拘束は懲役刑よりひどい」 江川紹子さんが批判
パソコン遠隔操作事件で威力業務妨害罪などで起訴され、東京拘置所に勾留されていた片山祐輔被告人が3月5日、保釈された。逮捕されたのは昨年の2月だから、身柄の拘束期間は1年以上に及んだことになる。
片山被告人の裁判は、地裁の第2回公判が終わったばかりで、本格的な審理はこれからだ。片山被告人は「私は遠隔操作の被害者だ」と主張し、無罪を訴えている。保釈直後に開かれた記者会見でも「私はやってない」と述べ、自らの主張の根拠をしっかりした口調で語った。
その会見には、弁護人経由で片山被告人にインタビューした記事を公開するなど、この事件に関するレポートを精力的に発表しているジャーナリストの江川紹子さんも参加していた。会見が終わった後、1年以上にもわたった片山被告人の勾留について聞いた。
釣りバカ課長「コンペ参加費5000円」休日に部下を召集…強制参加はパワハラ?
休日に上司から執拗にイベントに誘われるーー。こんな経験をした方はいませんか。弁護士ドットコムにも「釣りコンペ参加強制はパワハラですか」という相談が寄せられていました。
相談者の上司である課長は、無類の釣り好き。課に新人が入ると「釣りコンペ」と称して、部下を10人ほど連れて行きます。参加を断ると露骨に態度が悪くなり、「課の輪を乱すなよ」と説教されることもあります。
楽しければいいものの、「船酔いはするわ、興味がないのでつまらない」。開催場所は遠い上、一人5千円の会費も徴収されます。相談者は「パワハラになるでしょうか。釣り代も重荷です」と打ち明けますが、会社外のイベントも問題になりえるでしょうか。田村優介弁護士に聞きました。
朝礼の「唱和」はダサくてイヤだ! 従業員が唱和を「拒否」するのは許されるか?
職場の朝礼で『唱和』を拒否したら、懲戒解雇されてしまった――。そんな男性が解雇の無効を訴えた裁判で、男性の主張を認める判決が7月26日、京都地裁で下された。
報道によると、解雇が無効とされたのは、学校法人平安女学院(京都市)の元職員の男性。2012年9月、男性は朝礼で「理事長の下に固く結束し」という部分の読み上げを拒否して解雇されていた。学校側は「業務に支障が生じた」としていたが、裁判官は「業務に大きな影響を与えたとも言えない」「懲戒解雇は重すぎる」と判断した。
「唱和」は職場の士気高揚などに、少なくない会社で実施されているようだ。たとえばパナソニックでは、創業者松下幸之助の「綱領・信条・7精神」を唱えるというし、ある大手ドラッグストアも、店舗で毎朝「いらっしゃいませ」といった「接客8大用語」を唱和するという。一方、このノリに付いていけないという人もいて、ネットの相談サイトには「(唱和に)ストレスを感じている」といった悩みが寄せられている。
はたして従業員は、自分の信条に合わない職場の「唱和」を拒否できるのだろうか。また、今回は懲戒解雇を無効とする判決が出たわけだが、もっと軽い処分なら甘受するしかないのだろうか。労働事件にくわしい大川一夫弁護士に聞いた。
●『唱和』そのものは違法とはならない
――「解雇」よりも軽い処分なら、甘受するしかない?
「『解雇』は行き過ぎですが、軽い処分ならば甘受しなければならないと思います」
――どういう理由なの?
「労働契約上、労働者は使用者に対して労働を提供する義務があります。その関係で、使用者の指揮命令に服さなければなりません。
もちろん、この指揮命令は、どんなことでも命じることができるというわけではなく、違法な命令はできませんし、労働者の思想・信条に反するような命令もできません。
しかし、会社の理念や方針を理解させ、協調して仕事をしてもらうために、社会通念上相当の範囲内なら、『唱和』そのものは違法とはならないでしょう」
――そういった例は他にもあった?
「公立学校の卒業式などでの国旗掲揚や国歌斉唱の際に、教職員に対して起立や斉唱を求める命令が、『思想・良心の自由』に反しないか争われたケースでしょう。最高裁は、結論として、そのような職務命令を出しても『思想・良心の自由』に反しないとしています。
この判例によれば、主観的に、自分の思想・信条に合わない『唱和』だったとしても、それが直ちに『思想・良心の自由』に反するとは認められないことになります。その処分は違反行為の内容と均衡を保ったものにならなければなりませんが・・・」
このように、職場で『唱和』を拒否したら、職務命令違反として処分されてもやむを得ないということだ。しかし、最近の若い人たちの感覚なら、「唱和なんてダサい」と思うかもしれない。大川弁護士も、「『唱和』を嫌う若い人たちが増えていると思われていますので、使用者は、従業員に気持ちよく働いてもらうためにも、このような習慣は止めたほうが良いと個人的には思います」と話している。
実録、職場のタバコ部屋 「あいつは私のおもちゃ」裏話に沸く一方、「すぐ戻ってこい!」呼び出し電話も
オフィスのタバコ部屋はサボリの楽園なのか、それともくたびれたオフィスワーカーたちが愚痴をこぼしあう場なのか、そんなことが知りたくて、非喫煙者であるにもかかわらず、あるオフィスビルの喫煙所に午後2時から1時間ほど身を置いてみた。(ライター・平塚太陽)